日本角膜移植学会とは

設立の目的

 角膜移植術の研究とその健全な普及のみならず、白内障手術後の角膜乱視矯正手術や角膜屈折矯正手術を含めた角膜形成術の研究、その正しい普及も併せて行うこと。

沿革

 わが国のアイバンクは諸先輩方の努力により、1958年に厚生省から眼球斡旋業者認可基準が出され,同年4月順天堂アイバンク、慶應大学眼球銀行、さらに12月に大阪アイバンクが設立されました。1974年には角膜および腎移植に関する法律が制定され、1982年にはアイバンクの経費増大を少しでも軽減する配慮から、厚生省より角膜斡旋料3万円が認められるようになりました。1983年までには全国に35のアイバンクが設立され、アイバンク活動も少しずつ活発になってきました。1984年当時京都府立医科大学の糸井素一教授と大阪大学の真鍋禮三教授の肝煎で第1回日本角膜移植研究会が開催されたのです。当時、慶應大学の桑原安治名誉教授が日本移植学会の会長をされており、他の臓器移植と同様に角膜移植部門も学会を作り活動してはどうかとの話が糸井素一教授のもとにもたらされました。これを受けて1985年3月に糸井素一、真鍋禮三両教授が発起人となり、日本角膜移植学会が設立されました。本学会は桑原安治名誉教授が名誉会長に、糸井素一教授が理事長、理事に真鍋禮三教授(大阪大学)、田澤豊教授(岩手医科大学)、馬嶋慶直教授(藤田保健衛生大学)、金井淳助教授(順天堂大学)、崎元卓助教授(日本大学)、江口甲一郎院長(江口眼科病院)、林文彦院長(林眼科病院)、野中杏一郎院長(野中眼科医院)が就任し、日本角膜移植学会が始まりました。

理事長挨拶

日本角膜移植学会理事長
西田 幸二

 角膜移植とは、文字通り、角膜の状態が悪くて視力を失った患者さんに対して、亡くなった方からいただいた角膜を移植することで視力を改善させる治療法で、明治38年(1905)にEduard Zirm博士が初めて成功させたといわれています。

 まず、日本では昭和38年(1963)にアイバンクが諸先輩方のご努力により設立されました。昭和54年(1979)には、「角膜及び腎臓の移植に関する法律」が公布され、本格的に角膜移植が実施されるようになりました。日本角膜移植学会は、昭和60年(1985)に角膜移植術および提供眼球の選択と保存の研究と、その健全な普及の促進を目的として設立されました。平成9年(1997)の10月には、「臓器の移植に関する法律」が施行され、平成22年(2010)には「臓器の移植に関する法律改正」が施行されました。新しいところでは、昨年の平成26年(2014)4月1日より羊膜移植術が保険収載されることが決定しました。

 日本における全国アイバンク統計によると、平成26年度単年度の眼球提供登録者は10,883人、献眼者数は927人、移植件数は1,476人、平成26年3月末の待機患者数は2,200人となっており、角膜疾患のための視覚障害者は1万9千人(平成18年度厚労省身体障害者実態調査)おられます。

 このように広く普及している角膜移植ですが、この10年ほどで大きな進歩がありました。これまで角膜移植といえば、角膜の表面から裏面までの全層を交換する全層角膜移植がほとんどでした。近年の技術革新により、0.5mmの厚さの角膜を層状に切り分け、患者さんの疾患の病態に応じて、使用する部分を選択する術式が主流になりつつあります。角膜内皮が障害されている水疱性角膜症では、角膜内皮を移植するDescemet's Stripping Automated Endothelial Keratoplasty (DSAEK)などの術式を選択し、角膜実質の混濁はあるが角膜内皮が健常な場合は角膜内皮以外の層を移植するDeep Anterior Lamellar Keratoplasty (DALK)を選択するといった具合です。DSAEKでは眼球強度が保たれる、乱視などの屈折変化が少ない等の利点があり、DALKには内皮型拒絶反応が起きない、角膜内皮が長期的に保たれやすいといった大きな利点があります。今後もこうした新しい術式が更に普及していくものと考えられます。

 角膜移植に関して現在の日本にはいくつかの解決すべき大きな問題があります。一つはドナーの不足です。現状では、海外ドナーに大きく依存しています。一方、人口が日本の約2倍のアメリカでは年間約40,000件の角膜移植が行われています。国内におけるドナー不足の大きな原因はやはりドナー登録者が少ないことにあります。ドナー登録を更に広めるべく、本学会としてもアイバンクとともに努力すべきと考えます。もう一つの問題としては、移植に使用した後に残る組織は焼却することが法的に定められており、研究に使用できないということがあります。角膜研究を行っている施設では、研究用に海外から角膜を輸入しているというのが現状です。角膜移植の臨床実施においても、研究遂行においても、海外、特にアメリカの角膜に大きく依存しているという現状は、あまり好ましいものではありません。WHOが臓器や組織の輸入といった行為を制限しようといった動きがあるともいわれています。角膜移植に有効利用した後にも角膜の一部は残ります。これを研究に有効利用できるための法的な整備が望まれます。

 昨年10月より前任の天野史郎理事長から本学会を引き継ぎました。微力ではありますが、日本における角膜移植の更なる普及、角膜移植に関する臨床研究・基礎研究の発展の為に尽くしていきたいと思います。皆様からの御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

日本角膜移植学会理事長
西田 幸二

役員一覧

役員 2022年度(五十音順・敬称略)

理事長

西田 幸二

大阪大学医学部眼科学教室

理事

天野 史郎

医療法人社団済安堂 お茶の水・井上眼科クリニック

 

稲冨 勉

国立長寿医療研究センター 感覚器センター 眼科

 

臼井 智彦

国際医療福祉大学 医学部 眼科

 

江口 秀一郎

江口眼科病院

 

大家 義則

大阪大学医学部眼科学教室

 

木下 茂

京都府立医科大学感覚器未来医療学

 

小林 顕

金沢大学医薬保健研究域医学系眼科学教室

 

﨑元 暢

杉浦眼科

 

澤 充

澤眼科医院・日本大学名誉教授・日本アイバンク協会

 

島崎 潤

東京歯科大学市川総合病院 眼科

 

相馬 剛至

大阪大学医学部眼科学教室

 

近間 泰一郎

広島大学大学院医系科学研究科 視覚病態学

 

中谷 智

順天堂大学医学部 眼科

 

西田 輝夫

山口大学名誉教授 大島眼科病院

 

林 研

林眼科病院

 

林 孝彦

日本大学医学部視覚科学系眼科学

 

宮田 和典

医療法人 明和会 宮田眼科病院

 

森重 直行

大島眼科病院

 

山上 聡

日本大学医学部視覚科学系眼科学

監事

村上 晶

順天堂大学医学部 眼科

 

山口 達夫

新橋眼科

名誉会員 2022年度(五十音順・敬称略)

 

井上 幸次

鳥取大学医学部視覚病態学 眼科科長 教授

 

大橋 裕一

南松山病院・愛媛大学名誉教授

 

金井 淳

順天堂大学名誉教授

 

下村 嘉一

府中病院 眼科・近畿大学名誉教授

 

村松 隆次

武蔵境眼科医院

日本角膜移植学会会則

第1章 名称・事務所

第1条

本会は日本角膜移植学会(Keratoplasty Society of Japan)と称す。

第2条

本会の事務所は理事長の指定するところにおく。なお、当分の間は、大阪大学医学部眼科学教室内(大阪府吹田市山田丘2-2)におく。

第2章 目的および事業

第3条

本会は角膜移植術および提供眼球の選択と保存の研究とその健全な普及をはかることを目的とする。

第4条

本会第3条の目的を達成するために次の事業を行う。
1)学会の開催。
2)学会誌の発行。なお、当分の間、日本角膜学会 年次報告書をもって学会誌にあてる。
3)(公財)日本眼科学会、日本角膜学会、(公財)日本アイバンク協会、日本移植学会、(公社)日本眼科医会、 アイバンク、をはじめとする国内ならびに国外の関係諸団体との協力活動。
4)その他本会の目的に沿った事業。

第3章 会 員

第5条

本会の会員は次の3種に分かつ。
1)正会員
2)法人会員
3)名誉会員

第6条

正会員は日本角膜学会の会員で、第9条の所定に手続を完了した者とする。

第7条

法人会員は本会の趣旨に賛同し、所定の法人会費を納入し、第9条に定める手続きを経た者、または団体とする。

第8条

名誉会員は理事経験者で理事会において名誉会員資格内規に基づいて推薦された者とする。年会費を納入した名誉会員は理事会に出席し、発言および議決権を有す。

第9条

入会を希望する者は、規定申込用紙に必要事項を明記し、会費を添えて事務所に申し込み、理事会の承認を受けなければならない。

第10条

1)会員で退会しようとする者は、退会届を事務所に提出しなければならない。
2)特別の理由なく、2年以上会費未納の者は、自然退会とみなすものとする。
3)本会に対し背信行為があった会員は、理事会の議決を経て除名することが出来る。会員は理事会の議決前までに書面による異議申し立てを行うことができるものとする。

第11条

会員は学会に参加し、発表を行うことができる。

第4章 役 員

第12条

本会には次の役員をおく。
理事長  1名
常任理事 若干名
理事   若干名(10名以上20名以内)
監事   2名

第13条

理事および監事は理事会において選任する。

第14条

理事は互選により理事長1名を定める。理事長は常任理事を選任する。

第15条

理事長は本会の会務を総括し本会を代表する。理事長に事故ある時、または欠けた時は理事会で推薦された者が代行する。

第16条

理事は理事会を組織し、その決議に基づき庶務、会計、渉外、事業計画など本会の運営に関する業務を処理する。監事は本会の会務、財産、会計の関する監査を行う。

第17条

役員任期は4年とする。ただし再任を妨げない。

第5章 会 議

第18条

会議は理事会とし、理事長がこれを招集し議長となる。

第19条

理事会は年一回以上開かれる。

第20条

理事会は理事構成員現在三分の二以上の出席をもって成立する。なお、委任状のよる代行を認める。

第21条

理事長の議事は出席者の過半数をもって決する。

第22条

本会の運営経費は会費その他をもってあてる。

第23条

本会の会計年度は毎年1月1日より12月31日までとする。

附 則

第1条

本会則は昭和60年3月1日より実施される。

第2条

本会則は理事会の同意を得た場合変更することができる。

第3条

本会の正会員の会費(年額)は3,000円とする〔法人会員会費(年額)を企業および団体50,000円〕。名誉会員は会費納入義務を有しないが理事会出席の場合は正会員会費と同額の3,000円(年額)とする。

第4条

本会則は、平成12年4月1日より施行する。

第5条

本会則は、平成19年2月11日より施行する。

第6条

本会則は、平成20年2月29日より施行する。

第7条

本会則は、平成25年2月16日より施行する。

第8条

本会則は、平成27年4月1日より施行する

第9条

本会則は、平成30年2月16日より施行する。

日本角膜移植学会

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2 E-7
大阪大学大学院医学系研究科 眼科学教室内

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FAX : 06-6879-3459
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